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1929年当時のミッキーマウスを立体化

レビュー

歴史と未来

 1979年に書かれた書物であり、ソビエト連邦のこれからの発展を真摯に考える為に書かれた書物。
 日本では初訳が1979年に出版されています。マルクス経済学だけでなくケインズ経済学の未来を考える上でも有益です。
 レーニンとスターリンという偉大な二人によってなされた革命とその未来について知ることができます。
 いまだにトロツキーが実在していたと信じる人にお勧めできる。


社会主義研究の道しるべ

 差し当たり、「弁証法だけがひとり、矛盾によって生きかつ動く進化の過程を再現する」(1)といった立場にはない私であるけれども、ロシア革命直後の経済運営等に関心をもっており、こうした観点で本書はコンパクトだが、客観性に富んだ内容の濃い書物といえよう。
 確かに、革命直後の経済運営に関して、例えばマルクスは「(未来社会の-引用者)具体像をどこにも描いていないという文献的事実」(2)が先ず厳存し、さらに「レーニンにとって(略)不幸であったのは、マルクスの経済理論がケインズによって完成される以前に社会主義政府を指導せねばならなかった」(3)という見方もできなくはない。
 革命後のソ連邦は、一部の人々を除き、「資本主義市場経済をこえる社会主義の先端モデルを形成」(4)してきたものと信じられてきた。と同時に、その崩壊の端緒も、革命直後の経済運営(政策)の中に既に胚胎していたと思料され得る。
 そうしたコンテキストから、「社会主義が依然追求に値する理念であり、現実世界で依然として実現可能なもの」(5)と考える私にとって、本書はいつも持ち歩きのできる貴重な1冊である。
   
(1)L.トロツキー『ロシア革命史(二)』(山西英一訳、角川文庫)P.3
(2)広松渉『マルクスの根本意想は何であったか』(情況出版)P.15
(3)M.ケイザー『現代ソビエト経済学』(平凡社)P.8
(4)伊藤誠『市場経済と社会主義』(平凡社)P.10
(5)J.ローマー『これからの社会主義』(伊藤誠訳、青木書店)P.13


ロシヤ革命に関する手軽な入門書

この書を一読することによって、ロシヤ革命のからスターリン体制の成立に至る時期について大まかな輪郭をつかむことができる。初学者は無論、専門家であっても時々読み返すと参考になる良書である。岩波現代文庫には、この種の良書をもっと多く刊行することを望みたい。


レビュー

スローなスタートだが・・・

経済学的な観点からではなく、とにかく多数の登場人物を配し、
(正直、途中から登場人物表が欲しくなった)
彼らが世界恐慌に巻き込まれた姿を映像タッチで描くことにより、
読者にリアルな手触りを感じさせることに成功しているドキュメンタリー。
そういうスタイルであるからして、やや書き振りは大げさかもしれない。

本書はその第一巻。ややスローなスタートのため途中だれることもあるが
第二巻を楽しむためにはやや忍耐も必要。


1929年NY証券取引所の大暴落を描く

この本は1979年に出版された「アメリカの死んだ日」(TBSブリタニカ)を文庫本化したものである。上巻は1928年12月31日の大晦日から翌29年7月16日までの出来事を描いている。登場人物は多彩で、世界最強の個人銀行、モーガン商会を率いるジャック・モーガン、それに対抗するアメリカ銀行創設者A・P・ジャンニーニ、成り上がりの億万長者で後に息子を大統領にしたジョセフ・ケネディ、伝説の大相場師ジェシー・リバモア、エンパイア・ステートビルの建設にかける相場師ジェイコブ・ラスコブ、自動車王ヘンリー・フォードなど当時のアメリカをその存在自身が表現している顔ぶれたちである。
特に圧巻は相場師ジェシー・リバモアで、彼を中心にこの本は回っているといっても過言ではない。しかし本の中では「口の固さを見込んでじきじきに厳選した20人の事務員と、アメリカで最も優秀なビジネス・スクールからより抜かれた統計チーム、それと電話交換手、情報提供者、秘書など全部で60人ほどが雇われている」と書いてあるが、実際は事務所の中に巨大な壁面いっぱいに株価を掲示する黒板がしつらえてあって、それに株価を記入する「チョーク・マン」が5人とその監督者の全部で6人だった。ドキュメンタリー仕立てとはいえ多少脚色されており、少し割り引いて見ておく必要はある。


 バブルというい言葉はここから生まれた

 1929年、アメリカ株式の大暴落を扱った本。ドキュメンタリーなのだけれど、ほとんど小説とも言えるストーリには読み応えがある。証拠金取引の恐ろしさや、バブルの最中で加熱していく群集心理の描写がとても興味深かった。上・下巻とかなりのボリュームなので、あまり人には薦めないけれども、ここ数ヶ月でもっとも印象的な本でした。

 下巻の表紙の写真は「株価大暴落で全財産を失い、街頭でりんごを売るかつての百万長者」・・・この写真が暗黒の木曜日のすさまじさを象徴している。