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レビュー

先を見据えた提言は読み応えありです。

 停滞感が否めない日本が10年後(2020年)に向けてジャンプアップするための提言書として読みました。
 アジアだけでなく、世界各国との関係を深める、日本ならではの各産業の発展など、先を見据えた提言は読み応えありです。


経営者から見た日本社会へのメッセージ

クオンタムリープという会社を立ち上げた、元ソニーCEO出井氏の最新作。
著者は、現在の日本が未来の中で60年代のヨーロッパに似ている、
ものづくりのリアルな経済を得意とする日本は金融やネットといったヴァーチャルな経済のアメリカと大きな差がついてしまったと指摘し、環境国家、文化国家というコンセプトで産・学・官に対する提言を書いている。経営者の観点からシンプルに現状と今後をまとめた良著。


出井伸之の歴史的評価とは?

 ソニーの出井という方の歴史的評価は未だ定まらないと思っている。

 彼がCEOであった期間の前半部分のソニーの躍進は今でも光輝いている。次々と打ち出す経営の新機軸には 日本全体が息を呑んだ時期が確かにあった。これは今でも忘れられない。

 一方 後半期のソニーの失速において 出井が見せた混迷度にも 相当なものがあった。コミットメントの達成が不可能であったらどうするか という質問に関して「経営はそんなチルディッシュなものではない」と返事していた姿には正直首をかしげた記憶がある。


 但し 繰り返すが 出井という ある意味日本人離れした経営者の評価はこれからだと思っている。


 そういう気になる方の著書だが 残念ながら 余り買えないと感じた。

 時代を読む部分に関しては 1990年代後半のソニーを思わせるものがある。但し依然として 米国式経営への賛美が強すぎるきらいがある。これは出井自身が 米国式経営をかつて推進してきたことを考えると「軸がぶれない」という言い方も出来よう。但し 現段階で米国式経営を手放しに肯定する姿には 違和感を覚えるのも確かだ。

 それと WEBに関して WEB2.0への言及が 2007年7月に出された本にして 全く出てこないのもいかがなものかと思う。

 これは 僕がWEB2.0を礼賛しているということではない。この時代で社会を語るにおいて とりあえず ソニーの元CEOである方であるなら とりあえずWEB2.0に関して 肯定なり否定なり 何かコメントされているべきではないかという事だ。
 その点で 若干時代性を欠いている気もした。勿論 出井としては 目先の現象にはとらわれず 2020年を骨太に描き出したという事なのかもしれないが。


日本が再び元気になるかも。

ソニーを世界的な企業へと育て上げた一人である著者が今後の日本について語った書。2020年ごろには世界が日本がこうなる!という提言は驚くことばかり。未来の話でとても遠い将来に感じるが、10数年後の未来だという。しかもそのすごい世界に日本が積極的にかかわって世界をリードできる可能性を秘めているとのこと。いろんなことに今は不安を感じているけれど、何だか自分の住んでいる日本をちょっとだけ誇らしく感じ、これからの未来に希望が持てるそんな一冊。2020年、実際にはどんな生活をしているか楽しみです。


主張はわかるが

この本で提唱されている日本再生への提言に関しては、特段反対する気はしないが、一方で特段目新しい主張は見いだせなかった。出井さんの本ということで期待していた割には中身は???
また、金融資本主義の取り上げ方も米国MBA的思考が現在見直されつつあるという認識のもとではもう少し批判的な意見を取り上げて欲しい気がした。


レビュー

タイトルで期待しないで

著者がCEO時代に行ってきたことを時系列にフツーに書いているのみの本。そこから得た洞察や社内のリアルは、あまり書いてありません。肝心の「迷い」も「決断」も、(実際にはすごいものがあったんだろうけど)あっさりしております。まあ、社長の回顧録ってのはこんなもんですか。


ビジョンと現実のギャップ。

前ソニーCEO出井氏の回顧録。

技術肌の組織において、文系畑からマネジメントスキルを武器に会長まで上り詰めた「ソニー初のプロフェッショナル経営者」が抱えたビジョンと現実のギャップ。
同氏がCEOの頃からビジョンには共感していただけに、「日本企業のマネジメントにおける難しさ」を改めて実感。


プロ経営者も同時に普通の人間でもある。

幾多の賛否両論ありながらも、著者が所謂「財務畑か営業畑出身」で選ばれる旧来の日本の社長でない「経営職のプロ」である事は、全体の流れを読めばわかる。経済社会情勢を分析して近未来のビジネスの行方をつかむ。投資コストや収益構造からすべての事業をひと括りせず、業態毎に管理する。アライアンスやコンテンツの二次・三次利用を考えビジネスモデルを組み立ててゆく等々。これはいわゆる「MBA的素養」が実務の中でしっかり研鑽されていたとともに、そもそものビジネスの才能にも恵まれてそれを磨き上げていなければ絶対不可能なことだ。しかし、著者にも限界があっただろう。あれだけの巨大な組織を大改革するには加齢に負けないパワーが必須だったと思う。CEO着任時点で58歳。もし、50歳で着任していればもっとパワフルな状態が継続でき、本書に記載されている「旧来派」の反対に妥協する事もなかったかもしれない。それは着任しばらくの著者からあふれていた気迫とファイターのオーラは退任前後にはすっかり失われ、疲れたおじいさんの様な姿を見てそう実感した。それとともに、眠れない夜が何度もあったことと睡眠薬の常用をカミングアウトした日本の経営者は初めてではないだろうか?それらの事や反対勢力への不満などは経営者だった人間が公にすべきでなく腹に収めていなくてはいけないのが建前だ。それを記載したあたりに「出井さんも人間なんだなぁ」と「ビジネスのプロ」の裏側にある「個人」の側面も良く見えた一冊だった。


迷っていない,信念の本

前SONY社長の出井さんの書籍

私は本を読む際に気になった処にポストイットを貼ってゆくのですが,初めて
用意したポストイットがなくなるほど内容の濃い本でした.

さすがにSONYほど大きくなったら,ガバナンスが最初の課題になるというのは
とてもよくわかる課題で,ガバナンスにぶつからなかった人にはつまらない
書籍化もしれません.

金融資本と産業資本を掛け合わせて考えなければならないという点は
まさにMOTの世界に入ったことを考えさせられました.


会社を経営することとは

著者がソニーのCEOを務めた10年間の仕事を,自身の視点から熱すぎず,淡々と語っています.どのような局面で,何を考え,どう判断したかというのは非常に勉強になりました.経営者の仕事の一端を垣間見た気がします.

著者は創業者あがりでない初めてのプロフェッショナル経営者ということで,これまでの経営から大きく舵を切りました.その結果,ソニーらしさがなくなったとか,技術が空洞化したとかいろいろと言われています.「自由闊達な理想工場」も時代とともに変わらなければならないと言ってしまえばそれまでですが,うーんどうなんでしょう.