レビュー
劇場へのいざない。
『身毒丸』は、
演劇にしかできないことがあるということを
思い知らせてくれる。
舞台は記憶に残るメディアである。
或る日、或る時、或る瞬間、或る劇場でなければ
吸収できない何かがあるのは否めない。
この映像作品は初日直前に収録されたものらしい。
幾度の公演を重ね、千秋楽、劇場の『身毒丸』は、確かに進化していた。
でも、それは、やはり劇場でのうたかた。
この映像から漂う夢現を、次はきっと劇場で吸ってみたくなるはずだ。
レビュー
DVDになってないの?!
暗い怒りがふつふつとわいてくる映画。これは是非作られねばならなかった映画だ。
戦争が終わったのに闘い続けようとする狂気の上官を殺害したことにより処刑される兵士の話である。
徐々に真実が明らかにされていくのだが、途中に出てくる、責任を感じることもなく、悠々自適で
回想録などを書いている司令官の姿には怒りを禁じ得ない。陸軍の神風特攻の指揮をとり、400人の
部下を犬死にさせておきながら、戦後おめおめと生きながらえた富永中将などの姿を思い出させるものである。
左幸子の最後の台詞はよくもまあ言わせてくれた。
曰く、「とうちゃんは天皇陛下に献花してもらうわけにはいかない。」
たしかに戦犯が総理大臣になっちまうような国、その孫も総理大臣になっちまったけどね。
上で命令していた奴等が、戦後になっても結局支配者のままだったような国、
こんな国の文化や倫理を叫んだとて、まっとうな国になれるはずはない。
日本映画の反戦映画としては最高級の部類に入ると思う。
レビュー
魂のしづめ
『死者の書』の原作でイメージを描きにくかった人でもこれをみるとなるほど、という実感を持てるかもしれない。郎女が彼岸の中日に二上山の上にみた俤(おもかげ)を思い描く気持ちは、人を恋いこがれる気持ちとどこか似ているようにも感じた。誰かをおもうからこその魂の鎮めであることを幻想的な映像が後からじわじわと教えてくれる。
そこで人形に大切な声の出演が絶妙だった。ことに岸田今日子の静かな語り口調、黒柳徹子の語り部の媼の声が今でも耳に響いている。
レビュー
初々しい登場人物たち
この時代の空気を、当時新人の高橋洋子が、旅の途上でかく汗と体臭で身近に伝えてくれるような、
そんな自由と孤独と悲しさを、吉田拓郎の主題歌とともに初々しく映画にしていた。
初々しいと言えば、高橋洋子とともに、儚気な文学少女で登場した秋吉久美子の可憐さも必見。
その頃の青春期にあるものにとっては、この空気は等身大の旅の映画だったような気がする。
こういう映画が、ここ最近皆無なのはどうしてだろう。
高橋洋子が輝いている
この映画,テレビで放送されるたびに見ていた。原作も何度となく読み返した。しかし,原作は絶版。出版されたことも奇跡的だったかもしれない。それが名脇役と初々しい新人女優と,センスある監督と,拓郎歌のコラボレーションでいい味の日本映画になった。私は基本的に日本映画は好きではない。あまり,見る価値を感じない作品が多いからだ。しかし,このころはいい映画が結構あった。これもその一つ。名作とは呼ばれないかもしれないが,いい映画だ。高橋洋子はもうスクリーンに表れないかもしれないが,それでもいい。おそらく最も輝いていた彼女の姿がここにあるからだ。脇を固める名優に囲まれて輝いている。
高橋洋子 好きになりました!
久しぶりに邦画の面白さを知った。さすが2000人の中から選ばれた主役の高橋洋子 その演技が実に愛しく、いじらしい。同年代なのか懐かしさがこみあげて来ると同時に苦くもあり、また楽しかった青春時代のあの頃(1972年)に思わずタイムスリップしてしまった。
挿入歌 吉田拓郎の「今日までそして明日から」がまた堪らない。-旅は人生みたい 人生は旅みたい- ぜひ鑑賞して欲しい映画である。
たくろうファン必見!
主題歌「今日までそして明日から」はこの映画でしかないバージョンと思われる。1970年代マニアには随喜の涙でしょう。懐かしい田舎の風景と、たくろうの「恋の歌」のメロディをバックに、無垢な少女と人生の重みがバランスよくからみ、'70娘が実に魅力的に描かれている。最後に登場する男(高橋悦史)がいい味をだしていた。
秋吉久美子いいです
ちょっと前に「世界一美しい水死体」を売りにした海外ドラマがあった。
ツインピークスだ。でも自分にとって最も美しい水死体、それは文学世界
にのめり込んで現実に悲観して入水自殺する秋吉久美子の役ですね。
主役の高橋洋子も美しいし、遍路道四国の自然も美しい。、
レビュー
ミュージカル、オペラ?
舞台という限られた状況をここまで利用できるのかと驚くDVDの映像であり、
あぁ、舞台で見てみたかったと痛切に思います。
白石加代子、藤原竜也がいいのはもちろんのこと、
宮川彬良の音楽が冴えてます!
初めから終わりまで、舞台、ならぬ画面に釘付けです。
人間の想像力、創造力は凄いと驚愕の舞台映像です。
完璧な作品かと。
衝撃
蜷川さんが手がける舞台にはまるきっかけのDVD。
藤原竜也ファンの身内の為に購入し、その「舞台」という世界の表現の素晴らしさに
猛烈に感動を覚えました。
セリフやキャストの動き、表情やダンスや歌。それら全てで作る独特の世界はストー
リーに様々な形で深みを与えている。そして演じるキャスト全てが素晴らしい。
見終わった後の余韻の中で、場面場面で表現されている意味を噛み締めるように考え
ることがたまらなく面白い。
ただ「何も考えず観るだけで面白い」というものに飽きている方に是非お勧めしたい。
たった一言・・・『おもしろい』
テーマが重いストーリー。場面展開がいまだかつて見たことのない舞台。藤原の演技力と白石の演技力とのぶつかり合い。色んな要素をまとめた感想は、本当に一言で表すと『面白い』です。見ごたえアリ!!!。特典映像の中で、蜷川さんのインタビュー・・・・ 自分の演出について質問された後に語った言葉が印象的・・・・『あの頃は才能あったよ。面白いよ』 ほんとにそうです。 購入してからは繰り返し見てるけれど、飽きないし 見る度に違う面白さが味わえる、とっても 『摩訶不思議』で『面白い』作品です。
実際に舞台をみて・・・
とにかく白石加代子がきれい!!
優しそうなのに妖しい、母性で溢れているのに艶かしい、すごい女優だと思いました。
藤原竜也はテレビより舞台の方が存在感がある。
蜷川演出に感嘆!
セットの素晴らしさ、見た事もない美しい世界に圧倒され、気が付けば
拍手の嵐!
これだけの完成度の高い舞台に出会える事はラッキーという他ない。
でも、まだ良くなる可能性はある。
身毒丸の母に対する拒絶の演技だ。
拒絶の裏にある、本当は、かまわれたい、愛さいれたい、という矛盾した気持ちが、見えない。
それが見れた時、本当のファイナルになるであろう。
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